子育てや介護をしながら仕事をする場合、最も重要なのが「時間の使い方」。使える時間が決まっているなら、効率よく使うしかありません。
まずは仕事に使える時間を把握すること。そして、自分にとって効率の良い時間を知り、時間に合った作業を振り分ける必要があります。
わかっていても、難しいよね……。
今回は、時間を有効活用するための3ステップを紹介します。子育て中のママ&パパクリエイターや副業クリエイターの皆さん、時間の使い方に悩んでいませんか?あなたのお役に立てれば幸いです。
STEP1 時間を可視化する
まずは「何にどれだけ時間を使っているのか」現状を把握するところからはじめます。
少し面倒かもしれませんが、1~2週間ほど「いつ・どんな作業をしたか」を記録します。記録することで何に時間を使っているかを可視化し、気づいていない隙間時間と改善点を見つけるのが狙いです。
同時に、作業の進み具合やクオリティも記録しておきましょう。今後に役立ちます。記録するからといって緊張せず、いつも通り過ごしてください。
記録の仕方は、あとから確認できるものであればなんでもOKです。簡単なメモでもよいですし、24時間を円グラフにしたり、1時間ごとにわかれている手帳を使ったり、好きな方法で記録しましょう。
時間を管理できるアプリを利用するのもいいですね。時間管理アプリ『ATracker』は、ママクリエイターにおすすめ。操作が簡単で、使った時間を棒グラフや円ブラフで表示することが可能です。
仕事だけでなく、家事に使った時間も記録できます。アクティビティごとにメモをかけるのも魅力です。iPhone・Androidに対応しており、無料で使用可。(有料プランもあります。)日本語にも対応しています。
記録したら確認する
一定期間記録できたら、まとめてふりかえってみます。おそらく意外な発見があるはずです。
- 作業がはかどる曜日や時間
- 利用できそうな時間
- だらけてしまう時間
自分でも驚くような時間の使い方をしていませんか?
また、記録をつけることで、自分の行動を冷静にとらえることができます。
この作業、いらないかも……
これとこれは、一緒にした方が効率がよいかも……
こんな気づきもあるはずです。改善できる点はないか、探してみましょう。
記録を隅々まで確認したら、下記の点をまとめておきます。
- 仕事に使っている時間
- 今は仕事に使っていないが、利用できそうな時間
- ちょっとした隙間時間
- 省けそうな作業や習慣
この作業が終わったら、次のステップへ進みましょう。
STEP2 効率の良い時間帯を知る
現状を把握できたところで、作業効率の良いゴールデンタイムを調べます。記録を見て、作業の進んだ時間や作業のクオリティが高かった時間を調べましょう。
誰でも、作業が進みやすい時間とそうでない時間があるもの。作業が進みやすい時間はとても貴重です。この時間に頭を使う作業をあてれば、仕事の効率が格段に上がります。
あなたにとってのゴールデンタイムが見つかったら、その時間は絶対に仕事をすると決めてください。
どんなにやる気が出ないときも、その時間だけは机に向かって作業をします。これだけでも仕事の進み方はずっとよくなるはずです。
ひとつ気をつけたいのは、一般論は気にしないこと。一般的に言われている効率の良い時間と、あなたにとって効率の良い時間がズレていても問題ありません。
例えば、仕事がはかどるといわれている「朝活」。
【毎朝5時に起きて、2時間作業しています!】これを聞いてどう感じますか?
すごい!と思う反面、自分にはできないかもと思う人はいませんか?
体質的に朝が苦手な人が早起きしても、作業は全くはかどりません。夜の方が集中できる・時間がとりやすいなら、それでよし!進化論で有名なダーウィンやオバマ元米大統領だって夜型です。
大切なのは、あなたにとって作業が進みやすい時間を知ること。周りと比較せず、あなたのゴールデンタイムを見つけましょう。
他の時間も調べる
次に、今は仕事に使っていないけれど、工夫次第で使えそうな時間をさがします。
- 休憩のつもりでスマホを見ている時間
- 集中すれば半分の時間で終わる作業
- 一緒にやった方が効率がよい家事
これらの時間の一部を、仕事にあてることはできないでしょうか?ここで30分ほど捻出できれば、これまでできなかった作業も可能となります。
本当に必要な時間か?2つの作業を1つにまとめられないか?客観的に考えてみてください。
そして、最後に隙間時間をチェックします。
- 作業と作業の間にわずかな時間があった
- 家族と過ごす時間の中に、1人になれる短い時間があった
上記のような隙間時間には、すぐに終わるような負荷の軽い作業を入れるのがおすすめです。
1日10分でも、平日5日間続けると50分になります。次に行う作業の仕様やフォーマットを確認したり、アイデアを書き留めたり、仕事に役立つちょっとした作業に活用しましょう。
STEP3 時間に適した作業を振り分ける
あとは時間に作業をあてはめるだけです。STEP1と2を組み合わせて、効率の良い時間帯に頭を使う作業を、効率が落ちてくる時間帯に頭を使わない作業を入れます。
また、新たに見つかった時間や隙間時間に、どんなことをするのか決めましょう。細かくやりすぎると調整しにくいため、大まかに枠を決めるようにします。
(例)
・9~12時【いちばん集中できる時間】
重要案件や難易度の高い作業、急ぎの仕事(30分作業したら5分休憩する)
・12~13時
休憩時間(時間が余れば夕食の下ごしらえ)
・13~14時【ゆったり作業する時間】
クライアント連絡、案件リサーチ、スケジュール確認など
・14~16時【もうひと頑張りできる時間】
通常業務(慣れている作業や得意な作業)、もしくはインプットの時間
<隙間時間・ながら時間>
・夫出勤~子ども起床までの時間 → スキルアップのための読書
・皿洗いの時間に耳読する(勉強)
・洗濯を畳みながら、明日の作業スケジュールを決める
ポイントは、時間と作業に優先順位をつけること。自分にとって最も効率の良い時間帯に、重要な仕事をします。
時間 | 作業内容 |
作業が進みやすい時間 | 重要・緊急・難易度の高い作業やクリエイティブな作業 |
そこそこ作業できる時間 | 難易度は中程度 通常業務 |
作業があまり進まない時間 | 頭を使わなくてもできる作業 緊急度の低い作業 |
隙間時間 | 短時間で完結する作業 |
この時間はなにをやってもうまく進まない!という場合は、思い切って休んでしまうとよいかもしれません。少し体を動かしたり、家事をやってみたり、読書の時間にあてたり、自由に過ごしましょう。
気分が変わると再びやる気が出てくることもあります。自分の心のご機嫌を取りながら、上手に仕事を進めてください。
継続して上手に時間を使うには?
どんなテクニックにも「完璧」はありません。時間とうまく付き合うには、下記の点に留意しましょう。
(1)微調整は必要
状況が変わったら、その都度微調整をします。仕事に慣れて作業スピードが上がり、時間に余裕ができるかもしれません。新たな仕事の進め方が見つかる可能性もあります。その都度時間の使い方を見直し、試行錯誤を重ねることが大切です。
(2)何もしない時間も必要
タスクをつめこみすぎると、かえって効率は落ちてしまいます。頑張りすぎてエネルギー切れにならないよう、時には何も考えず頭をクリアにする時間を持つのがおすすめです。
頭が回らなくなってきたな、集中力が切れてきたなと感じたら、休憩をとることも忘れずに。
(3)人と比べない
ママの年齢や子どもの人数、家事のサポートをどれくらい受けられるのかによって、使える時間は異なります。もちろん、体力や集中力も違います。
収入や仕事時間、仕事に対する姿勢を人と比べて落ち込む必要はありません。与えられた時間の中で、あなたなりに精一杯仕事をすればよいのだと考えましょう。
(4)うまくいかない時も自分を責めない
うまく時間を使えない日があっても、自分を責めないようにします。急な体調不良や家族の用事で、予定していた作業ができない時もあるでしょう。
何度か繰り返すうちに、この程度の遅れなら半日で取り返せる、明日までにここだけやっておけば納期に間に合う、といった感覚がつかめてきます。焦らなくて大丈夫です。
自分なりの時間術を見つけよう
限られた時間の中で仕事をして収入を得るには、時間を効率よく使うことが重要です。
- 時間を可視化する
- 効率の良い時間帯を知る
- 時間に適した作業を振り分ける
この3ステップで、あなたの時間の使い方は大きく変わります。時間と作業に優先順位をつけて、効率よく仕事を進めていきましょう。
また、状況に合わせて調整は必要です。一度決めたルールであっても、定期的に見直します。
はじめはうまくいかなくても、試行錯誤を繰り返すことで効率の良い時間の使い方が見えてくるはず。あなたのペースで、最適な時間術を見つけてください。